海苔ができるまでDELICIOUSNESS

「海の農業」
養殖海苔の生産方法

海苔の養殖は「海の農業」と例えられます。
美味しい海苔を作るため、海苔漁師は海という畑でタネから丁寧に海苔を育てていきます。
海苔はどうやって生産され成長していくのか、順を追ってご紹介します。

糸状体の培養

海苔のタネを牡蠣殻で培養

海苔の養殖は、海苔のタネである「糸状体」を牡蠣の貝殻に植え付けることからはじまります。
海苔のタネ(糸状体)は春から秋ににかけて牡蠣の殻の中で成長していきます。海での養殖開始に向けて、水温の管理や水換え、洗浄などの手入れをしながら培養します。お盆の頃には、白かった貝殻が成長した糸状体に覆われ、真っ黒になります。

支柱式養殖の準備

海に支柱を建て込む

9月に入ると養殖の準備に入ります。決められた海苔養殖漁場の区画に、海苔網をぶら下げる支柱を建て込んでいきます。網の大きさは、幅1.8メートル、長さ20メートルで、1区画に8から10枚の網を張りこむため約60本もの支柱を立てる必要があります。残暑が厳しい海上の作業はかなりの重労働になります。

採苗

海苔のタネを網に付着させる

9月〜10月になるといよいよ養殖開始です。
海苔網に海苔の胞子が付いて黒くなった牡蠣殻と、海水を入れたビニールをぶら下げます。これを船で漁場に運び、支柱にくくりつけて海面に広げていきます。
海水温が25度以下になると牡蠣殻から海苔のタネが海中に飛び出し、網に付着します。海苔のタネを網に付着させる作業を「採苗」と言います。

育苗と冷凍網

有明海で育つ海苔の苗

海苔網に付いた海苔の胞子は、秋から冬にかけて生長を始めます。この時期を「育苗」と言います。有明海の太陽の恵みを受けて、柔らかくて甘みのある海苔が育ちます。
やがて、海苔芽が3~5センチに伸びると、網の半分を引き上げて陸上で乾燥させ、冷凍庫に入れる作業を行ないます。張り込んだ海苔網が生長しなくなった時の予備として冷凍保管され、出番を待ちます。これを「冷凍網」と言います。

摘採

成長した海苔を収穫

海苔芽が15~20センチに育ったらいよいよ収穫です。海苔摘み作業は、海苔の細胞が目を覚ます前の夜明け前か早朝の薄明るい時間から始めます。昔は手作業でしたが、現在では機械で収穫されます。

Point一番摘みについて

海苔は一度収穫してからも数日で成長し、再び収穫ができるようになります。網から最初に収穫される新芽は「一番摘み」と呼ばれ、上質で特に美味しい海苔として重宝されています。

加工・検査・格付け

乾海苔の形に加工し、格付け

収穫された海苔はよく洗浄した後、細かく裁断されて、全自動の海苔製造機械にかけられ「乾海苔」に加工されます。折り曲げ、結束、箱詰め作業後、完成した海苔は熟練の検査員によるチェックを受けます。海苔の形状や色、つやなどによって細かく等級が分かれ格付けされます。
こうした選別を経て、海苔は入札会に出品されていきます。

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